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使用済みエアコンファンの
水平リサイクルを
お客様との共創により実現

資源を有効活用し、持続可能なサーキュラーエコノミーの実現を目指す

東レグループは、様々な機能を持つ材料を提供する素材企業として、資源の有効活用につながる取り組みを推進してきました。
2004年3月には「リサイクル活動指針」を制定し、環境負荷の低減に配慮した製品の設計・製造販売、環境負荷の少ない原料・製品の購入・使用、リサイクル事業活動やリサイクル製品の情報開示、自ら販売した製品のリサイクルや適正処理に取り組むことをステートメントとして発表しました。
また2018年に制定した「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」では、「資源が持続可能な形で管理される世界」を2050年に当社が目指す世界のひとつとしており、資源の枯渇や海洋のプラスチックによる汚染などさまざまな課題を解決する、循環型社会の実現に貢献していきます。
そのなかで、廃棄されていた繊維・樹脂・フィルムを原資として回収し、加熱してチップ化し再利用する「マテリアルリサイクル」に取り組む他、同様の原資をモノマー原料に戻し再利用する「ケミカルリサイクル」に取り組んでいます。なかでも、ナイロン6やPBTには他社に先駆けて取り組み、リサイクル製品の開発を実現しています。今後はさらに使用済み回収品(ポストコンシューマーリサイクル材)を原料として、独自の処方設計を行ったリサイクル樹脂を展開することを強化し、社内外からリサイクル原資の多様な調達を進め、お客様のリサイクル樹脂のニーズに応えていく計画です。

使用済みエアコンファンの水平リサイクル技術をお客様との共創により開発

廃家電由来のポストコンシューマーリサイクル材を活用すべく家電リサイクル法に基づき回収された使用済みエアコン室内機のファンを、新品のファンに再利用していただく水平リサイクルシステム(マテリアルリサイクル)をお客様と連携して構築しています。
これは、使用済み家電プラスチックのリサイクル率をさらに高めることを目的とし、お客様との共創によって業界で初めて実現したガラス繊維強化AS樹脂(以下、ASG)のリサイクル技術開発事例です。

エアコン室内機に使われるクロスフローファンにはASGが使用されており、ファンに付着している金属や他のプラスチック原料、埃などの異物やASGに含まれるガラス繊維の折損等により再生後の物性が低下するため、リサイクルが困難と考えられていました。お客様と共同開発したリサイクル技術は、使用済み家庭用エアコン室内機からASG製のクロスフローファンを分別・再生し、新たにクロスフローファン材料として再利用するものです。

リサイクル工程においては、お客様の関係会社の家電リサイクルプラントが回収・分別と破砕を担当し、東レ千葉工場にある専用の洗浄設備と金属除去ラインにより、異物除去とリサイクルASGのペレット化を行います。回収・異物除去システム、および回収原料とバージン原料との最適なブレンド処方を確立した結果、成形性、強度特性、および品質の安定性においてバージン原料 100%とほぼ同等の物性を有するリサイクル ASG を実現しました。

お客様との共創により、家電製品の水平リサイクルが可能となった当事例のように、東レは、他分野でもお客様及びその他企業様と連携し、樹脂製品の水平リサイクルの実現に貢献していきます。

共創パートナーと連携し、クローズドループリサイクルに取り組む

「クローズドループリサイクル」の手法であれば、持続可能な原材料の調達が可能となります。しかしその仕組みを確立するには、多くの企業との連携・共創が欠かせません。今後も東レの「リサイクルの環」におけるパートナーシップをより拡充し、「クローズトループリサイクル」の好事例を創出できるよう目指します。